NISAとiDeCoの4つの違いと向いている人の特徴を解説

NISAとiDeCoの4つの違いと向いている人の特徴を解説 資産運用
  • NISAとiDeCoの違いがよくわからない
  • NISAとiDeCoはどちらを選べばよいのか知りたい
  • NISAとiDeCoはどのような人に向いているのか知りたい

NISAとiDeCoはどちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度です。しかし、それぞれの違いや仕組みがわかりにくく、どちらを選べばよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。

この記事では、NISAとiDeCoの違いや制度の特徴を解説します。記事を読めば、NISAとiDeCoの違いを理解でき、自分に合った制度を選べるようになります。

NISAは中長期の資産形成を目的とした制度であり、iDeCoは老後資金づくりを目的としています。資産形成の目的や資金の使い道によって向いている制度は異なるため、自分の目的に合った制度を選ぶことが大切です。

NISAとiDeCoの違い

NISAとiDeCoは、どちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度です。ただし、税制優遇が適用される範囲には違いがあります。

主な違いを以下の表にまとめました。

項目NISAiDeCo
目的中長期の資産形成老後の資金づくり
税制優遇投資で得た利益が非課税(投資枠内)掛金が所得控除+運用益非課税
投資できる金額年間投資枠あり掛金上限あり(職業別)(※1)
投資対象株式・投資信託など投資信託・定期預金など
引き出し条件いつでも引き出し可能原則60歳まで引き出し不可

NISAは中長期の資産形成を目的とした制度で、運用益が非課税になる点が特徴です。資金はいつでも引き出せるため、将来のライフイベントに備えながら柔軟に資産形成を進めたい場合に向いています。

一方、iDeCoは老後資金づくりを目的とした私的年金制度です。掛金が所得控除の対象になるほか、運用益も非課税になる点が特徴です。iDeCoは原則として60歳まで資金を引き出せないため、長期的な資産形成を前提としています。

参考:一般社団法人 資産運用業協会「NISAの話」
参考:iDeCo公式サイト

※1  iDeCoの掛金上限は、会社員や自営業者、公務員などの働き方や、企業年金の有無によって異なります。具体的な金額は個人の状況によって異なります。

制度・目的の違い

NISAとiDeCoは、制度や目的の面でも違いがあります。NISAは個人の資産形成を目的とした少額投資非課税制度です。税制優遇を受けながら資産形成ができる仕組みとして、多くの人に利用されています。

一方、iDeCoは老後資金の準備を目的とした制度です。自分で掛金を積み立てながら金融商品を選んで運用する仕組みで、老後に向けた資産形成の手段として活用されています。

税制優遇の違い

NISAとiDeCoは、どちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度です。ただし、受けられる税制優遇の内容には違いがあります。

NISAとiDeCoの税制優遇の違いを以下の表にまとめました。

項目NISAiDeCo
掛金税制優遇なし掛金の全額が所得控除
運用時運用益(売却益・配当)が非課税運用益が非課税
受取時なし退職所得控除・公的年金等控除の対象(※2)

NISAは主に運用時の税制優遇が受けられる制度です。投資で得た利益に税金がかからず、資産を効率よく増やせる点が特徴です。

一方、iDeCoは掛金の所得控除や受取時の控除など、複数の段階で税制優遇が受けられます。具体的には「掛金の拠出時」「運用時」「受取時」の3つの段階で税制優遇が適用される仕組みです。iDeCoは税負担を抑えながら老後資金を準備しやすい制度といえます。

※2 iDeCoは受取時にも税制優遇があります。一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されるため、税負担を抑えて受け取れる可能性があります。

引き出し条件の違い

NISAとiDeCoの引き出し条件の違いをまとめた図解

NISAは、必要なタイミングで資産を引き出せます。「引き出し」とは、保有している投資信託や株式などを売却して現金化することを指します。売却は必ずしも全額行う必要はなく、一部だけの売却も可能です。

NISAは必要な金額だけを引き出し、残りの資産はそのまま運用を続けるといった柔軟な使い方ができます。ただし、資産を売却すると非課税や複利運用のメリットを十分に活かせなくなる可能性があります。NISAの目的を踏まえ、引き出しのタイミングは慎重に検討することが大切です。

一方、iDeCoは老後資金づくりを目的とした制度のため、原則として60歳になるまで資産を引き出せません。死亡や高度障害など一定の条件に該当する場合は例外として受け取れるケースもあります。ただし、基本的にはiDeCoの資産の途中引き出しや解約は難しい点を理解しておきましょう。

年間投資上限の違い

NISAとiDeCoでは、年間に投資できる金額の上限にも違いがあります。NISAは制度として年間の投資枠が決められているのに対し、iDeCoは職業や企業年金の有無によって掛金の上限が異なります。

項目NISAiDeCo
年間投資上限つみたて投資枠:120万円成長投資枠:240万円職業や企業年金の有無によって異なる(※3)
生涯投資枠1,800万円(うち成長投資枠1200万円)上限なし

NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つに分かれている点が特徴です。つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠では年間240万円まで投資できます。

つみたて投資枠は、長期・積立・分散投資を目的とした投資信託などが対象となります。一方、成長投資枠では株式や投資信託など幅広い商品に投資が可能です。

iDeCoは職業や企業年金の有無によって掛金の上限が異なります。NISAには生涯投資枠として1,800万円の上限があります。一方、iDeCoには生涯上限がないため、長期間の積み立てが可能です。

参考:金融庁「NISAを知る」

※3 iDeCoの掛金上限は働き方によって異なります。主な例として、自営業は月額6.8万円(年81.6万円)、会社員(企業年金なし)は月額2.3万円(年27.6万円)、公務員は月額2万円(年24万円)などがあります。

NISAが向いている人

NISAに向いている人のイメージ

NISAは少額から投資を始められるため、投資初心者でも利用しやすい制度といえます。特に次のような人に向いています。

長期的な資産形成をしたい人

NISAは投資で得た利益が非課税になり、長期的に資産形成をしたい人に向いている制度です。特に、つみたて投資枠では積立投資を前提とした投資信託が対象となっており、長期的な資産形成に向いています。

NISAは株式や投資信託など複数の金融商品に投資できるため、分散投資がしやすく、リスクを抑えやすい点も特徴です。積立投資を長期的に続けると購入価格が分散されるため、価格変動の影響を抑えやすくなります。

少額から始めたい人

NISAが少額から始めたい人に向いているイメージ

NISAは少額から投資を始めたい人に向いています。金融機関によっては100円程度から投資できるため、まとまった資金がなくても資産運用を始められます

NISAは積立金額を途中で変更できるため、最初は少額から始めて徐々に増やすことも可能です。逆に、余裕がない時期には積立金額を減らすなど、柔軟に調整できます。

大きな金額を投資するのは不安という人でも始めやすく、投資を身近に感じやすい点も特徴です。サービスによってはクレジットカード決済で投資でき、ポイントを貯められる場合もあります。
参考:SBI証券「100円から始められるNISA」

投資が初めての人

NISAは、投資が初めての人でも始めやすい制度です。NISAのつみたて投資枠では、長期・積立・分散投資に適した投資信託が中心で、比較的低コストの商品が揃えられています。投資経験が少ない人でも無理なく資産運用を始めやすい点が特徴です。

金融機関によっては初心者向けに銘柄をまとめた商品やおすすめの投資信託を紹介しているため、投資判断に自信がない人でも選びやすくなっています。

iDeCoが向いている人

iDeCoが向いている人のイメージ

iDeCoは、老後資金を計画的に準備することを目的としています。特に次のような人に向いています。

所得税や住民税を節税したい人

iDeCoは、所得税や住民税の負担を軽減したい人に向いています。掛金の全額が所得控除の対象となるため、税負担を抑えられる可能性があります。

iDeCoは、拠出時・運用時・受取時の3つの段階で税制優遇を受けられる点が特徴です。運用益が非課税となるほか、受取時には退職所得控除や公的年金等控除の対象となります

長期的に老後資金を準備したい人

iDeCoは原則として60歳になるまで資産を引き出せない仕組みで、老後資金の準備を目的としています。途中で資金を使う心配が少なく、長期的に積立を続けやすい点が特徴の一つです。

掛金が所得控除の対象になるほか、運用益も非課税となるため、税制優遇を受けながら資産形成を進められます。老後に向けて計画的に資産を積み立てたい人にとって、iDeCoは活用しやすい制度といえるでしょう。

自営業やフリーランスの人

iDeCoは、自営業やフリーランスにも向いている制度です。自営業やフリーランスは、会社員と比べて公的年金(国民年金)のみとなるため、老後資金を自分で準備する必要があります

自営業やフリーランスの場合、iDeCoの掛金上限が月額6.8万円と比較的高く設定されているため、より多くの金額を積み立てることが可能です。掛金は全額が所得控除の対象となるため、節税メリットを活かしながら資産形成を進められる点も特徴です。
参考:厚生労働省「iDeCoの概要」

自営業やフリーランスの場合は、iDeCoの掛金を確定申告で申告すると所得控除が適用されます。iDeCoは自営業やフリーランスにとって、老後資金づくりをサポートする制度といえます。

NISAとiDeCoの違いを理解して自分に合った資産形成を始めよう

NISAとiDeCoは、どちらも税制優遇を受けながら資産形成ができる制度です。ただし、制度の目的や税制優遇の内容、引き出し条件などに違いがあります。

NISAは運用益が非課税となり、資金をいつでも引き出せることが特徴です。将来のライフイベントに備えながら、柔軟に資産運用をしたい人に向いています。一方、iDeCoは掛金が所得控除の対象となるなど税制優遇が手厚く、老後資金を長期的に準備したい人に適した制度です。

それぞれの特徴を理解したうえで、自分の目的やライフプランに合った制度を選ぶことが大切です。まずは無理のない範囲で運用を始め、将来に向けて計画的に資産形成を進めていきましょう。

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